最近、自分はDQ10の初見プレイのブログやら動画やらXやらを好んで見ています。というのも、偶然なのかは分かりませんが、最近始めたプレイヤーの動画配信者さんやSNS投稿者さんが何人もいらっしゃるのです。いやーこれ面白いなあ、初心者の頃が懐かしいなあと思って追い始めました。
以下、この記事においてはSNSなどで自分の初見プレイを配信したり画像を上げていたりする人たちを配信者と呼びます。
また、ネタバレNGな配信者たちへネタバレコメントをする人についての記事となります。
自分自身は既にプレイして話の流れを知っているので、今初見プレイしている人がどう思ったのか、どう感じたのか、そういうことを知ることができるのが大変面白いのです。継続的に彼らの配信をそっと見させていただいています。
結論:色々な人がいるので、ネタバレは無くならない
単なる閲覧者Aである私なのですが、配信者に対してのネタバレ行為が目に入ってきます。
見てるだけの側なのですが、とても不快なのです。
どうして君らはネタバレコメントをするんだ!
どうしてなんだ!
私が不快に感じてしまうのは、初見さんの感想やリアクション、そしてそれを共有できることに楽しみや喜びを感じているから。つまりは、ネタバレをくらうと配信者さんが本当の初見ではなくなり、提供されるコンテンツに大きなマイナスが付与されることになります。ネタバレされることは、プレイしている配信者のみならず視聴者の楽しみも奪っていることになる、だからこんなに配信者ネタバレに対して自分は大きな不快感を持つのでしょう。
だというのに、どうして配信者に対するネタバレというものは後を絶たないのだろうか……。
というわけで、ネタバレする人たちについて、調べたり考察したところ、興味深いことが分かりました。今の自分が思っている理由は、おおよそこの3つ。(嫌がらせ等は除く)
- 優越感を感じたいタイプ
- 「エピソード記憶タイプの人」と「意味記憶タイプの人」との差
- 「〇〇なのかな?」を「答えを求めている」と思うタイプのネタバレ
優越感・マウント
映画や漫画、アニメなどでは「最近公開されたばかりのものを私はもう見た!」と自慢なのか優越感なのか、意気揚々とネタバレをかましてくる人がいます。(これから見る楽しみを奪われるので、一般的には嫌われる行為です)
同じように、ゲームにおいても「既に私はもうプレイしてこの先を知っている」「どうプレイしたら効率よく進められるのか分かっている」ことを自慢して優越感を感じたい人がいるのも頷けます。
しかしネタバレ禁止というルールを守っていない以上、他人から凄いと思われることはまずありえません。ここで感じる優越感は、ネタバレ者以外誰もすごいと思っていない「残念な優越感」とも言えるでしょう。
むしろ古いゲームの話に至っては、あなただけではなく大多数の方が知っています。
知っていても、あえて発言しないのです。
このタイプの方には、
誰もあなたを凄いと思わないからネタバレやめて
と私は素直に思います。
エピソード記憶タイプと意味記憶タイプ
初見プレイとネタバレにおいては、人間の記憶能力である「エピソード記憶」と「意味記憶」のどちらが中心になっているかでネタバレに対する見方が大きく異なるようです。
エピソード記憶タイプ
エピソード記憶(Episodic memory)とは、いつどこで何があったかがはっきりしているような1回限りの具体的な経験についての個人的な記憶です。特定の時間や場所で個人が経験した特別な出来事やイベント、事象などのエピソードについての記憶をさしています。いつ、どこでという時間的、空間的文脈がはっきりしていることが特徴で、そのときの感情が結びついてエピソードとして強化されます。
unprinted エピソード記憶とは?長期記憶の分類をもとに解説
エピソード記憶が中心の人は、初見プレイにおいて自分がどう思ったか、何をしたか、それを大事に思うタイプなので、ネタバレに対して1回限り=初見を奪われたことに対して怒りを持ちます。
つまり、ストーリーに対するネタバレは元より、プレイの体験に関わることに関することは全てネタバレの可能性があるとも言えます。
私は本とゲームに関しては完全にこのタイプなので、とても良く分かります。
『〇〇を先にやったほうがいい』だとか『〇〇おすすめ』だとか、そいういうワードも割と私の中でネタバレです。というのも、ゲームの初見というものは、失敗することも含めての初体験であり、それが楽しみだからです。そこの感情を奪われることを、私はとても不快に思います。効率よく進められるとかそういう情報は、本当に必要ありません。
効率が悪そうな進め方をしている場合であっても、配信者の方が明確に「教えてほしい」と言ったときにだけ教えてあげて欲しいです。勝手に良かれと思ってアドバイスするのはネタバレです。
意味記憶タイプ
意味記憶(Semantic memory)とは、エピソード的な情報を伴わず、特定の文脈からは独立して存在する知見や一般事実ついての記憶のことです。たとえば「カエルの子はオタマジャクシである」のように科学的に証明された知見などもこれに含まれます。
unprinted 意味記憶とは?エピソード記憶との違いやその特徴について解説
先のXのポストを引用すると『初見ではあまり感情を抱かず、何度も見たり考えたりして脳内に意味ネットワークを少しずつ構成・強化していくことに楽しみを見出し、意味ネットワークの成長とともに感情も湧き起こってくる』とあります。
つまりは「感情抜き」でゲームのストーリーや展開などの記憶が溜まってパズルのように埋まっていくイメージであり、このピースが埋まってくることに楽しさを感じ、感情が湧いてくる、ということでしょう。ピースを埋める一環のものと捉えられるため、割とネタバレが平気なタイプ。
前述したように、配信者が不正解の選択や回り道をしていたりする時など、ネタバレ禁止と書いてあっても何がネタバレなのかの認識が異なり、前述の「エピソード記憶中心型」とは分かり合えないことが多々ありそう。
- 配信者が正解とは言えないコースや攻略をしている場合に、(全体像をみるまでに)時間がかかってしまうので勿体ないと感じる→「〇〇がいいよ」などとアドバイスをするが、記憶エピソード型にとっては(初めての体験を奪われるので)ネタバレになる。
- 全くストーリーには関係ないので、知っているとプレイ体験が変わるようなアドバイスという名のネタバレをしてしまう
- 「このあとアレだ」などぼやかしアドバイスも、初見者に何かがあることが伝わる=まっさらな初見の体験が奪われるのでネタバレになります。
人様のネタバレに関するスタンスの違いの日記が非常に興味深かったです。ネタバレに対する見解の違いは、本当に苦労するのではないかと気付かされました。(恐らく記憶タイプが異なる二人)
「〇〇なのかな?」を「答えを求めている」と思うタイプ
配信において、「これって〇〇なのかな?」と疑問形で配信者が発言する事は多々あります。この疑問形を、答えを欲しがっている疑問形だと捉えてしまうと意図せぬネタバレに繋がってしまいます。
この〇〇ってこの先どうなるのかな?
気になるな~!
これはあとで出てきますよ。○○して〇〇です。
ごめん、
ネタバレ控えてもらえると嬉しいな……
ごめんなさい……
(答えが求められていると思ったのになぁ)
良かれと思ってコメントしたのに、ネタバレになってしまった、悲しい事案となってしまいました。日本語ってむずかしいです。
このように「~~~~なのかな?」というような疑問形であったとしても、これは答えを求めているのではなく、単なるゲームの感想です。特にXにおいては、文字で疑問形という事で、答えを求められていると勘違いされてネタバレをくらうという悲しみがたまに見られます。
『良かれと思って』コメントしてネタバレとなる場合は、もしかしたら前述の「エピソード記憶タイプ」と「意味記憶タイプ」のネタバレに対する認識の齟齬が生じている可能性もあります。
このような疑問形であっても、「教えて欲しい」ときちんと明記されていない場合、問いに対する答えのコメントは求められていないネタバレに当たる可能性が高いです。
おわりに
「なんでネタバレするなっていうのにするんだよ!」と長い間ずっと思っていましたが、世の中には自分が思っている認識とは異なる人たちが沢山いるという、ごく当たり前ながら失念しがちなことを再認識するに至りました。また、特に記憶タイプによるネタバレ解釈の「広さ」や「狭さ」も人によって全く違うということは意外なことでありました。
ネタバレが平気な人がいるなんて、想像したことも無かった
逆に言うと、どうしてネタバレがダメなのかよく分からないっていう人も沢山いるっていうことなんだよね
沢山の人がいて沢山の認識の仕方がある、これゆえにネタバレは無くならないでしょう。記憶のタイプはお互いを理解することが難しいこともありますが、まあそういう人たちもいるんだなあと分かってるなら避けられる戦いもあるかもしれません。
「ネタバレは自衛が一番」とは言われます。しかし配信においては防ぎようがありません。配信する人は、どのくらいのネタバレを禁止しているのかを明言できるものならしていたほうが、より安全でしょう。(アドバイス禁止などを併記するなど)
なんにせよ、単なる視聴者Aの私は、初見プレイの感動をおすそ分けしていただけることに感謝をしながら配信やポストを待つのみなのです。(いつも投稿や配信ありがとうございます)
フリーペンシルさん
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